ドローン国家資格(二等・一等無人航空機操縦士)とは?学科試験の内容・合格基準・費用・取得の流れまとめ

2022年12月に始まった無人航空機操縦者技能証明は、いわゆる「ドローンの国家資格」です。一等・二等の2区分があり、取得には学科試験・実地試験・身体検査の3つに合格する必要があります。このページでは、学科試験の出題数・試験時間・合格基準、受験資格、かかる費用、取得までの流れ、そして2026年7月14日から適用される教則第5版の位置づけを、国土交通省と指定試験機関(一般財団法人日本海事協会)の公表資料をもとに整理しました。

最終更新:2026年7月28日

ご利用にあたって:本ページおよびアプリ「ドローンウカール」は、政府・国土交通省・指定試験機関(一般財団法人日本海事協会)のいずれとも関係のない、個人開発の非公式サイト・アプリです。試験日程・手数料・申込方法などの正式な情報は、必ず国土交通省「無人航空機操縦者技能証明等」および無人航空機操縦士試験案内サイト(指定試験機関)をご確認ください。本ページの記載内容は執筆時点の公開情報をもとにしており、内容の正確性・最新性を保証するものではありません。

1「ドローンの国家資格」とは――無人航空機操縦者技能証明

正式名称は無人航空機操縦者技能証明といい、航空法にもとづく国の資格です。資格は次の2区分に分かれています。

区分対応する飛行必要な機体認証
一等無人航空機操縦士カテゴリーⅢ飛行(レベル4=有人地帯での目視外飛行)第一種機体認証
二等無人航空機操縦士カテゴリーⅡ飛行第二種機体認証

それぞれの資格には、無人航空機の種類(6種類)と飛行の方法(3種類)についての限定が付きます。限定変更により、回転翼航空機(マルチローター/ヘリコプター)・飛行機といった機体の追加、最大離陸重量25kg以上への拡大、昼間飛行に加えた夜間飛行、目視内飛行に加えた目視外飛行が可能になります。

出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」無人航空機レベル4飛行ポータルサイト「無人航空機操縦者技能証明」

2資格を取ると何ができる?――カテゴリーⅠ〜Ⅲの整理

飛行のリスクに応じて、手続きの重さが3段階に分かれています。教則の記載は次のとおりです。

区分内容必要な手続き
カテゴリーⅠ飛行特定飛行に該当しない飛行(レベル1〜2)飛行の許可・承認は不要
カテゴリーⅡB飛行立入管理措置を講じた特定飛行のうち、リスクが比較的低いもの技能証明を受けた者が機体認証を受けた機体を飛行させる場合は、特段の手続き等なく飛行可能
カテゴリーⅡA飛行立入管理措置を講じた特定飛行のうち、ⅡBよりリスクが高いもの技能証明+機体認証があっても、運航管理の方法について国土交通大臣の審査を受け、許可・承認が必要
カテゴリーⅢ飛行立入管理措置を講じないで行う特定飛行=第三者上空の飛行(レベル4)一等技能証明+第一種機体認証に加え、運航管理の方法の審査を受けて許可・承認が必要
資格がなくても飛ばせないわけではありません。カテゴリーⅡA・ⅡB飛行は、機体認証・技能証明の両方またはいずれかを持っていない場合でも、①使用する機体②操縦する者の技能③運航管理の方法について国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を得ることで飛行できます。二等資格の実務上の意味は「カテゴリーⅡB飛行なら、そのつどの許可・承認申請が要らなくなる」という点にあります。

出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」3.1.2無人航空機レベル4飛行ポータルサイト

3学科試験の内容――二等50問30分/一等70問75分

学科試験はCBT(Computer Based Testing)方式で全国の会場で実施されます。一等と二等の区分以外には、機体の種類や限定の内容に関わらず共通の試験です(限定変更のために学科試験を受け直す必要はありません)。

二等学科試験一等学科試験
出題形式三肢択一式(50問)三肢択一式(70問)
試験時間30分75分
合格に最低限必要な正答率80%程度90%程度
受験手数料8,800円(非課税)9,900円(非課税)
実施方式CBT方式・通年で随時実施
出題範囲国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則」に準拠

合格基準の読み方に注意

指定試験機関は「試験開始当初の合格に最低限必要な正答率は(二等)80%程度/(一等)90%程度」としたうえで、「問題改定後については、この合格基準と等しくなるような値を統計的に推定して設定するため、正答率は同程度になると予想されますが、多少変動する可能性があります」と説明しています。つまり「50問中40問正解で必ず合格」と断言できる固定ラインではありません。二等は約9割、一等はほぼ満点近くを目標に仕上げておくのが安全です。

出題科目(一等・二等 共通の4分野)

  1. 無人航空機に関する規則(航空法全般・航空法に関する一般知識ほか)
  2. 無人航空機のシステム
  3. 無人航空機の操縦者及び運航体制
  4. 運航上のリスク管理

学科試験の合格には「有効期間」がある

学科試験に合格すると学科試験合格証明番号が発行されますが、その有効期間は合格の正式な通知日(番号の発行日)から起算して2年間です。学科に受かってから実地試験・身体検査を放置していると、期限切れで学科からやり直しになります。

出典:無人航空機操縦士試験案内サイト「学科試験」同「技能証明試験の種別・手数料」

42026年7月14日から「教則 第5版」に準拠

学科試験の出題根拠である「無人航空機の飛行の安全に関する教則」は令和8年7月7日に第5版が公布され、指定試験機関は「2026年7月14日(火)より、学科試験の内容は『無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)』に準拠します」と告知しています。第5版では、たとえば次のような改訂が入っています。

2026年7月14日以降に受験する方は、第4版までの内容で書かれた教材・数字(特に「300m」)に注意してください。改訂点はそのまま正誤が入れ替わる論点になります。

出典:無人航空機操縦士試験案内サイト「学科試験」国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」(p.2 改訂履歴)

5受験資格――16歳以上であること

学科試験の受験に必要な条件は「16歳以上であること」と「航空法の規定により国土交通省から本試験の受験が停止されていないこと」です。学歴・実務経験は問われません。

あわせて、試験の合否にかかわらず技能証明を取得できない場合(欠格事由)として、16歳未満の者、技能証明の拒否から1年を経過していない者・保留中の者・取消しから1年(一定の理由による取消しは2年)を経過していない者・効力停止中の者、試験に関する不正行為に関係のある者として定められた期間内の者が挙げられています。

出典:無人航空機操縦士試験案内サイト「受験資格」

6取得までの流れ

  1. 技能証明申請者番号を取得する――国土交通省の「ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)」で本人確認手続きを行い、番号を取得します。
  2. 試験申込システムにアカウント登録する――指定試験機関が運営するシステムでアカウントを作ります。番号・アカウントとも一人につき一つで、以後くり返し使えます。
  3. (任意)登録講習機関の講習を受ける――必須ではありませんが、修了した講習の内容に応じた実地試験が免除されます。いわゆる「ドローンスクール経由」の取得ルートです。
  4. 学科試験を受験する――CBTで通年受験できます。
  5. 実地試験・身体検査を受ける――講習を修了していれば実地試験は免除。身体検査は書類での受検と会場での受検を選べます。
  6. 技能証明書の交付を申請する――交付手数料を納付します。一等はこれに加えて登録免許税3,000円を納付します。

交付までの目安は、一等は登録免許税の納付後から10開庁日、二等は審査完了後から10開庁日とされています。

出典:無人航空機レベル4飛行ポータルサイト「無人航空機操縦者技能証明」無人航空機操縦士試験案内サイト「学科試験」

7費用――試験だけでいくらかかるか

試験・検査の手数料(指定試験機関)

項目一等二等
学科試験9,900円(非課税)8,800円(非課税)
実地試験(回転翼・マルチローター/基本)22,200円(非課税)20,400円(非課税)
実地試験(回転翼・マルチローター/限定変更)20,800円(非課税)19,800円(非課税)
身体検査(書類での受検)5,200円(非課税)
身体検査(会場での受検)19,900円(非課税)

実地試験の手数料は機体の種類によって異なります(ヘリコプター・飛行機はマルチローターより高く設定されています)。最新の一覧は指定試験機関のページでご確認ください。

技能証明書の交付手数料(国土交通省)

区分金額
新規申請3,000円
再交付申請/更新申請/限定変更申請2,850円
一等のみ・登録免許税(更新を除く)3,000円
ここに挙げたのは試験・検査・交付にかかる公的な費用だけです。実地試験免除のために登録講習機関(ドローンスクール)を利用する場合の受講料、機体の購入費、機体登録・機体認証にかかる費用は別途必要です。受講料は各スクールが独自に設定しています。

出典:無人航空機操縦士試験案内サイト「技能証明試験の種別・手数料」国土交通省「無人航空機操縦者技能証明書の交付手数料額」同「登録検査機関等に係る登録免許税の納付要領」

8合格率は?――公表資料では見当たりません

2026年7月28日時点で、国土交通省および指定試験機関の公表ページを確認した範囲では、学科試験の受験者数・合格者数・合格率といった統計は見当たりませんでした。他の国家試験のように「合格率○%だから難易度は△△」と語れる公式データが存在しないのが現状です。

そのため難易度の目安になるのは、次の2点だけです。

特に二等の30分という時間設定は、初見の受験者がつまずきやすいポイントです。学習の後半では、必ず本番と同じ問題数・時間で通し練習をしておくことをおすすめします。

9取得後――有効期間3年・更新は「満了6か月前から1か月前まで」

無人航空機操縦者技能証明の有効期限は3年です。更新するには、有効期間満了日の6か月前から1か月前までに、登録更新講習機関の無人航空機更新講習を修了し、身体適性の基準を満たしたうえで申請します。

「満了直前に駆け込み更新」はできません。教則第5版で更新申請期間が「満了日以前6月以内」から「満了日の6月前から1月前までの間」に変わりました。満了1か月前を切ると受け付けられないため、期限管理はカレンダーに入れておくのが確実です。

なお、機体の登録(機体登録制度)は技能証明とは別の制度で、こちらにも有効期間があります。技能証明を取ったから機体登録が不要になる、という関係ではありません。

出典:国土交通省「無人航空機操縦者技能証明等」同「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」

10学科試験の勉強法

以下は一般的に言われている進め方の一例で、必ずこの方法で合格できると保証するものではありません。ご自身の状況に合わせて調整してください。

  1. 教則を出題範囲の「正本」として扱う――学科試験は教則に準拠します。市販教材やネット記事より、まず教則本文(第5版)に何と書かれているかを確認するのが最短です。
  2. 数字を先に固める――150m、DID、第三者から30m、25kg、100g、1,000m(イエロー・ゾーン)、3年(有効期間)など、数字は最も出題しやすく、最も落としやすい論点です。
  3. 「規則」分野に時間を厚く――航空法・小型無人機等飛行禁止法・電波法など、規則系は暗記量が多いうえ改正が入ります。ここを後回しにすると直前で詰みます。
  4. 紛らわしい制度を対比で覚える――「許可」と「承認」、「機体登録」と「機体認証」、「カテゴリーⅡA」と「ⅡB」、「レベル3.5」と「レベル4」など、混同しやすい組は必ず並べて整理します。
  5. 間違えた問題を期間を空けて解き直す――一度で覚えられる方は少数派です。復習の間隔を意識すると定着しやすいとされています。
  6. 最後は本番と同じ時間で通す――二等50問30分・一等70問75分。時間感覚を体に入れておくと、本番で読み返す余裕が生まれます。

11学科試験対策アプリ「ドローンウカール」

ここまでの内容を踏まえて、スキマ時間にスマホで学科試験の対策を進めたい方向けに、二等・一等の学科試験対策アプリ「ドローンウカール」を開発・運営しています。

12運営者情報

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